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行く川のながれは絶えずして、しか
も本の水にあらず。よどみに浮ぶう
たかたは、かつ消えかつ結びて久し
くとゞまることなし。世の中にある
人とすみかと、またかくの如し。玉
しき都の中にをならべいらか
あらそへる、たきいやしき人の
すまひは、代々を經て盡きせぬもの
なれど、これをまこかと尋ぬれば
、昔し家はまれり。或はこぞ
破れ(やけイ)てこは造り、あ
るは大家ほろびて小家となる。住む
人もこれおなじ。所もからず、
人も多かれど、にしへ見し人は、
二三十人が中に、わづかにひとり
たりなり。あしたに死し、ゆふべに
生るゝならひ、たゞ水の泡にぞ似た
りける。